まだ戦争は終わっていません。今だから読みたい絵本『せんそうがやってきた日』
『せんそうがやってきた日』
ニコラ・デイビス作 レベッカ・コップ絵 長友恵子訳 すずき出版

せんそうがやってきた日
まどべには 花がさき
おとうさんは おとうとに
子もり歌をうたっていた
おかあさんは あさごはんをつくり
わたしの鼻にキスをして
学校までおくってくれた
作者あとがき
世界には2,250万人の難民がいます。難民とは、戦争や、虐げられたことによって、自国から逃げだした人々のことです。その半分以上が子どもです。難民を助けてくれるはずの国々が、助けるかわりに、行き場のない人々を追い返すことがよくあります。
2016年の春には、イギリス政府は3,000人の孤児の難民の避難所収容を拒否しました。同じような時期に、座る椅子がないとの理由で、難民の女の子が学校への入学を断られました。そのこと聞いて、この詩を書きました。ジャッキー・モリスとベトル・ホラチェックが描いた、誰も座っていない椅子の絵とともに、この詩は、最初はガーディアン紙のウェブサイトに掲載されました。日を追うごとに、数えきれないほどの人たちが、#3000chairsというハッシュタグをつけて、誰も座っていない椅子のさまざまな画像を、ツイッターに投稿しました。椅子は、すべてを失い、どこにも行き場のない、そして教育を受ける機会のない子どもたちとの連帯のシンボルとなりました。
この絵本を読んで、人々を思いやる気持ちと、将来に対して希望を持つということが、どれほど大切なことか、心にとめていただけますように。
ニコラ・デイビス
いまも世界のどこかで戦争が続いている
最近は、日本でも物騒な事件が相次いでおり、他国の戦争に以前ほど注意がいかなくなってきました。
報道も、以前より格段に減りました。
ニュース番組には時間の枠があり、自国の優先順位から報道していくので、ウクライナのことが報道されにくくなってきています。
戦争に慣れてしまったのでしょうか…
経済制裁や、戦争反対を呼び掛けても、何も変わらない。報道も減った。
私たちの力では、どうしようもないと思うと、どうすればいいのか分からなくなり、傍観者になるしかない。と思っている人が多いのだろうと思います。
その気持ちよく分かります。
ですが、ウクライナの人たちはいまも苦しんでいます。
また、いま戦争が起こっているのウクライナだけではありません。
(調べたい方はこちら)
私たちに何ができるのでしょうか…
戦争を止めることができなくても、避難してきた人たちに思いやりを持って接することはできます。
日本に避難してくる人は、ごくわずかです。
戦争だけでなく、自国で虐げられている人たちや、経済的に困っている人たち…
難民にやさしい国になりたい。