いまこそ みんなで話し合いたい絵本 谷川俊太郎作 『ぼく』
『ぼく』 谷川俊太郎作 合田里美絵

死をめぐる絵本「闇は光の母」シリーズ、
谷川俊太郎さんによる推薦文
死を重々しく考えたくない、かと言って軽々しく考えたくもない、というのが私の立場です。死をめぐる哲学的な言葉、死をめぐる宗教的な言葉、果ては死をめぐる商業的な言葉までが氾濫している現代日本の中で、死をめぐる文と絵による絵本はどんな形でなら成立するのか、この野心的な企画はそれ自体で、より深く 死を見つめることで、より良く生きる道を探る試みです。
谷川俊太郎
谷川俊太郎の絵本『ぼく』は、衝撃的な絵本だと言えます。
大きなチャレンジをしている作品です。
NHKのメイキングを見ましたが、かなりディスカッションし、悩み悩み生み出されたそうです。
事実、自死を扱っており、今までこんな絵本があったでしょうか?
ぼくは死んでしまいます。
あえて「死んではいけない」とか説教なんて書かない。
多くを語りません。
学校で、家族で、友だちと、自分ひとりで、考え、悩み、話し合い、それぞれの胸の内へと落としていく。
悲しくもあり、生きていく力を与えてくれる、反対に肩の力を抜いてくれる。
しなやかに生きていく。
そっと風のように背中を押してくれる。
ぜひ、読んで欲しい絵本です。
みなさんの意見が聞きたいです。
「死をめぐる絵本シリーズ・闇は光の母」